2020年10月7日水曜日

秋です

最近、よく花の動画を見る。

花が咲く姿も、種になって散っていく姿も、枯れて土に戻っていく姿も、どれも美しい。



映画の連載コラム「やっほー!シネマ」が更新されました。
どこかにいるあなたへ届きますように。
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以下の文章は、コラムの本文で書ききれなかったこと。


H君のことで思い出すのは楽しかった時のこと。
あれは三年ほど前のクリスマスに近い夜、私たちはドラマの撮影で海岸の船着き場にいた。遠くに見える街はライトアップされていて、海の向こうには大きな満月が顔をのぞかせていた。
スタッフがカメラの位置を決めたり、私たち役者の足元をバミっている間(役者が自由に動きすぎて映像からはみ出さないように、立ち位置を固定するテープを張るのを「バミる」と言う)、私はふと何年か前に大ヒットした「千の風になって」の替歌を口ずさんでいた。確かこんな歌詞。 

私の足元をバミらないでください〜
そこに 私はいません〜 
立ちたくもありません〜
千の風に 千の風になって
あの大きな空を吹きわたっています〜♪

隣で聞いていたH君は「真歩さん、その歌売れるよ!」とお腹を抱えて大笑いした。私は「たぶん役者しか買わないよ」と苦笑いした。足元にテープを貼っていたスタッフも申し訳なさそうに「すみません、バミらせてください……」と言いながらも笑っていた。
私たちはその替歌を一緒に歌いながら、撮影が再開するのを待った。そんな思い出。 

つい最近、あの「千の風になって」という歌詞は、ネイティブ・アメリカンの言葉が基になっていたということを知った。とても良い詩だなと思ったのでノートに書きとめた。 

私の墓石の前に立って 涙を流さないでください。
私はそこにはいません。
眠ってなんかいません。

私は一〇〇〇の風になって 吹き抜けています。
私はダイヤモンドのように 雪の上で輝いています。
私は陽の光になって 熟した穀物にふりそそいでいます。

朝の静けさのなかで あなたが目ざめるとき
私はすばやい流れとなって 駆け上がり
鳥たちを 空でくるくる舞わせています。
夜は星になり、私は、そっと光っています。

どうか墓石の前で 泣かないでください。
私はそこにはいません。
私は死んでないのです。

(作者不詳)