2022年12月25日日曜日

印象スケッチ


心揺さぶられる展示を観た

沖潤子さんの刺繍


祈りのテンポで

激しさと 優しさが クロスする

傷口をゆっくり修復するような糸の道


ひと月にひとつの祈りの形を縫い上げる

縫うことが祈り 沈黙し 手を動かす

いつも○から始まる 

小さな○ 

好きなだけ広がってく○ 

魂が納得するまで 

いつのまにか傷は模様になっていた


こんなふうに縫われてみたいのだ

こんなふうに縫ってあげたいのだ


言葉のない世界で

どこまでも


(後半の刺繍群を見て)


ひとつの○に、ひとつの魂

あまたの○が、凝固して形をなしている

あまたの○が集まって「レモン」になっている

たくさんの○が溢れて「ザクロ」になっている


言葉や名前はあとから来た

今だって本当は、

ただたくさんの○が集まっているだけ


すでにあるものと「まざりあいたい」と作家は語る

まざりあうためには

分け隔てるものをとりはらうこと

名前や言葉でくくられた存在を、

その呪縛から自由にすること 

ほどくこと




2022年12月7日水曜日

今年もあと少し(追記あり)

来週はいよいよ舞台「沈丁花」の幕が開く。

今回は、生演奏もオリジナルの歌もすごく素敵だし、とにかくアンサンブルの方達のチームワークが素晴らしく、稽古を見ながら何度も目頭が熱くなる。

どうか、無事に幕が開きますように。そして、最後までみんなで走り切れますように。

今年、最初で最後の神頼み。

写真のお花をくれたのは、先日の朗読劇「シリーズ恋文」で岐阜の可児市に滞在中に出会った素敵なお店「こばやし」の娘さんから。お父さんと娘さん二人で切り盛りしていて、何を食べても感動的に美味しかった。行った日はちょうど彼女の誕生日だった。

「好きな色は?」と聞かれ、「ブルー」と答えると、翌日の本番を観に来てくれて、楽屋までお花を届けてくれた。たった二日間の公演だったけれど、いろんな出会いや体験があって忘れられない時間になった。


さあ、二〇二二年最後の大仕事に臨むぞ〜〜!

KAAT神奈川芸術劇場大スタジオで、お待ちしています。


追記

無事に千秋楽を迎えることができました。

毎日、奈落で震えながら、祈るように芝居をした。終わってみれば、懐かしい故郷に帰ってきたような、自分の芝居の原風景に立ち戻ったような感覚があった。

一生忘れられない体験になりそう。感謝です。みんなありがとう。


~舞台「沈丁花 」配信アーカイブ販売中~ 
GP動画 
https://youtu.be/_MNFSrTqJ7A 

■初日公演分 ~12月23日(金) 23:59まで 
■千穐楽公演分 ~12月27日(火) 23:59まで