長屋の発想
最近、「長屋」というキーワードを、親しい人たちから聞く機会が増えた気がする。
長屋の距離感。同じ屋根の下に住んでいるのだけど、ちゃんと壁があって、でも声が聞こえてくるから完全に一人ではない。家族ほど密着していなく、一人暮らしよりも他者が近い感じ。
都会で一人で暮らしていて、隣に誰が住んでいるかわからないという状況に、ずっと心細さと疑問を感じてきたけど、ちょうどいい距離感や人とのつながりをみんな探っているのかなと思った。
地元のラジオ放送を通じて、グローバリゼーションの反対のローカリゼーションを広げていきたいという鎌倉に住むHさんも、「長屋」という発想を軸にしているという。「余計なお節介」をしていくことの大切さについて語ってくれた。「余計なお節介」のことを英語で「BUSY BODY」というらしい。
ビジーバディー、いい言葉だなと思った。
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嬉しい偶然
私が好きな八百屋さんが、私の好きなお店の軒下を借りて、毎週月曜にお店を出すことになった。
草木堂というお店。私はここの野菜と果物のファンで、いつもまとめて買って野菜スープにして仕事場に持っていったりしている。
スーパーでは、野菜たちがシーンと沈黙していることが多いけれど、ここの野菜たちはみんな人格(?)があってわいわい語りかけてくるから、いつもあれもこれもと買いすぎてしまう。
その草木堂が月曜日に出店するお店は、コクテイル書房。映画のコラム「やっほー!シネマ」の第一回で書かせてもらったお店だ。
店主の狩野さんが、いま本の長屋(本を中心にいろんな人たちが自由に集える場所)プロジェクトを立ち上げているという。
古本を持ち寄ってみんなで本屋をつくるという。面白そうなので、私も箱店主に応募した。どんな本を置かせてもらおうか。いまからワクワクしている。