2018年10月7日日曜日

秋になった


映画のコラムサイト「PINT SCOPE」での連載が、今回で4回目になった。締め切りのある人生は早く過ぎると言ったのは誰だったかな、確かに気づけばもう10月。
毎回、担当をしてくれるMさんとテーマを一緒に考えながら書かせてもらっている。いつも自分がぼんやり感じていることや日々のあれこれを文字にして誰かに伝えるのは難しくもあり、楽しい作業です。

1回目のテーマは「はたらく」だった。
もともと「働く」には「傍を楽にする」という意味があるということをMさんから教えてもらう。うーん、深い。

2回目のテーマは「出会い」
私の出会った唯一無二の“場所”についての思い出に加えて、ドキュメンタリー映画「築地ワンダーランド」のことを書いた。ここに出て来る人達の背中をずっと見ていたいと思ったので、最近のニュースは胸をえぐられた。この類のない歴史ある場所を無形文化財にしてほしかった。


3回目のテーマは「恋」だった。
恋は盲目…ということで、汗をかきかき人生初のラブレターを書きました。

そして4回目の今回は、秋なので「読書」。 子どものころのことを思い出しながら。



最近、時間を忘れて読んだのはこんな本たちだった。面白い本と出会うと、世界の見方がどんどん変わっていく。

●『舞台の水』太田省吾著
去年出会ったこの本を、今後繰り返し読むことになると思う。

●『〈在る〉ことの不思議』古東哲明著
朝起きて手足をぶらぶらしながら、「なんで私の意識はこの身体の中から世界を見ているんだろう」と不思議に思ったり、都会の交差点でふと月を見上げ、100年後のことを思ったりするとき、そういう言葉にならない想いや感覚が、言葉になっていることに静かに興奮した。

●それと、これは読書ではないけれど、最近「ラジオ版学問ノススメ」という番組を、部屋の片付けをしたり長距離バスに乗っているときに聞くのが好き。みんなそれぞれ声がいい。どうしたらこんな魅力的な声になるのかなーと思いながら耳を傾けている。
長田弘さんのお話(イエス/ノー、0/100かじゃなくて、1から99の間のアイマイな領域っていうなかにある力が大切なんじゃないか)、池澤夏樹さんのお話(古事記の現代語訳の朗読は面白くて笑った)、養老孟司さんのお話(世界は自分の外にある。自分は他人との関わりの中で存在している)、面白かったなあ。