2017年8月7日月曜日

夏の自由研究「鳥になる」


お元気ですか。毎日あついですね。
わたしはこの夏、鳥のことで頭がいっぱいです。
BBCが制作した「THE LIFE OF BIRDS 鳥の世界」シリーズが面白くて、繰り返し観ています。(渋谷ツタヤで鳥のドキュメンタリーがなかなか借りれないなーと思っている方がいたら、すみません。借りしめているのはわたしです。)中でも驚いたのは、鳥も「飛ぶ練習」が必要なのだということ。鳥だからすぐ飛べるものだと思っていたけれど、そうじゃなかった。日夜 “羽の筋トレ”をして丈夫にしたり、野原を助走つけて走ってみたり、ヒナたちはみんな必死の形相。「やっぱり自然が一番だよね」とか「動物はいいなあ」なんて軽々しく言えない雰囲気がありました。
わたしはそこに登場するいろんな鳥の鳴き声やしぐさ、求愛行動なんかをマネしながら観ています。一昨日は小学一年生のめいっこと卵から孵化するヒナのマネをしました(彼女は臨場感があって、とても上手だった)。そんなわけですっかり鳥に詳しくなりつつある今日この頃です。


札幌国際芸術祭に参加するテニスコーツのお二人に誘われて、一緒に短い音楽劇をつくることになりました。
「ある森に渡り鳥がやって来て、相手と出会い、卵を産んで帰っていく。」この短いお話を、参加者の人たちと音楽劇にする試み。どんな “森” ができるかは、どんな人たちがそこに集まるかで変わるんだろうな。いやあ、どうなるか、どうなるか。やってみなくちゃわからない。

てなわけで、今週末、札幌へ行きます。


2017年7月14日金曜日

コンプレックスについて考えた日


自分が「よくない・隠そう」と思っていることが、他人にとっては「どうでもいいこと・そここそ魅力」みたいなことがよくある。
たとえば、私は声がコンプレックスだった。子供のころからなぜか少しかすれていてハスキーで、まあ良く言えばジャズシンガーみたいだった。でも、小学生にとってそんな声はありがたくも何ともない。少女漫画のヒロインみたいな声がいいわけだ。休み時間男子に追いかけられる女の子たちの「キャー」という甲高い声に憧れて、家でひとり「キャー」と言う練習をしたりした。

その頃は、コンプレックスはいつか魅力に転じるかもしれないなんて思いもしなかった。でも何年も自分の声と付き合っていくうちに、「まあいいや」という諦めから「興味深い」という希望にまでなってきた。なにしろ、いま一番やってみたいのは声の表現なのだから。
そう、ちょっとしたことで価値観はひっくり返る。だから、少しくらい人と違うところがあっても、気にせず堂々とやったほうがいい。隠そうと隠そうと思っていることほど、逆にあけっぴろげてみると案外世界が開けるかもしれないのだから。(まあ、気にしている間にこういう境地になれれば苦労しないけどね!)


いま、面白い本を読んでいる。
著者は、イッセー尾形さんの一人芝居の演出をずっとされてきた森田雄三さん。ページをめくるたびに、笑いと一緒に何かが音を立てて崩れていく感じがする。最後の方でこんなことが書いてあった。
余談になるが、わが事務所「株式会社イッセー尾形・ら」には、「四国の四県の名前を言いなさい」という入社試験もどきがある。もちろん、香川、徳島、愛媛、高知で正解だが、正解者は不採用となる。理由は「他所でも働けるから」といった冗談程度のものだ。(『間の取れる人 間抜けな人』)
さっそく関西に住む友人に電話してみた。
「もしもし。突然だけどさ、四国の四県のなまえ全部いえる?」(ちなみに私は香川県しか言えなかったけど、それについては伏せた。)
「香川、徳島、愛媛……分からない」と恥ずかしそうに笑う声がした。はっはっは。
私も友人もめでたく採用であった。



2017年7月1日土曜日

カエルの夢


今朝はカエルになった夢を見た。
野原でのツバメとの会話を忘れないうちに、布団からでてすぐに描いた。なかなか写実的に描けたけど、内容はけっこうこわかった。


でも本当に、最近いままでにない大きい音で目がさめるのでこわいです。頭の上が飛行場への通り道になってるのかな。

子どものとき、「もし魔法がつかえるとしたらどうする?」って聞かれたとき、「世界を平和にする」と真剣に答えていたのはわたしだけではないはず。いまだったらどうかな。まずは、世界中の軍用機に積んであるミサイルのかわりに、いろんな種類の木や花やくだものや野菜のタネをねり込んだ土だんごをたくさん積んで、空からばらまくってことをやってみたいな! 

「ケロケロ。」



2017年4月17日月曜日

本は最後から読んではいけない

さっき、村上春樹の新刊を半分読み終えて「よし、下巻に移ろう」と思ったら、間違えて下巻から読んでいたことに気づいて愕然とした。
表紙も何だか似ていてよく分からなかったし、目次だってどこから読んでも差し支えなさそうだった(すみません言い訳です)。それにしても今回は何の説明もなく新しい登場人物が次から次へと出てきておかしいなあとは思っていたけど、新しい小説スタイルなのかもしれないと思って読み進めたのだ…。

こういう失敗は小学校三年生の時にも一度あった。
その頃、サンタクロースにもらった『赤毛のアン』を夜ベッドの中で読むのが楽しみで仕方なく、登場人物たちの先のことが知りたくて知りたくて、我慢できずに最後のページを少しだけ読んでしまったのだ。ちょうどめくったそのページで、アンの育ての親のマシューが死んでいた。「マシューが死んでる!」と私は愕然とし、しばらく本を閉じた。登場人物の行く末を知ってしまった私は、その後「この人、死ぬんだよな」と涙なしには読めなくなってしまった。
「本は最後から読んではいけない」。これは小学校三年生の時に身につけた私の小さな哲学だった。

私がもやもやした気持ちを抱えながら『騎士団長殺し』下巻を手に眺めていると、「逆さから読めばおおかたの物事はトンチンカンに見える」とその分厚い本がつぶやいた。
「知ってしまったことを知らないことにはできないし、記憶喪失にでもかからない限り、上巻を楽しめないかもしれないです」と不安げに私が言うと、しばしの沈黙ののち「イルカにはそれができる」と分厚い本がさらりと言った。
うーん、イルカになったつもりで読んでみるか。




2017年3月25日土曜日

ぐちゃぐちゃの雲の中

今日の夜6時から西日暮里の古書ほうろうさんでトークします。
「楽隊のうさぎ」「島々清しゃ」でご一緒した音楽監督の磯田健一郎さんと、お互いのこれまでの職歴のこと、個人的読書体験や映画のことなどを話す予定です。お時間あればぜひお越し下さい。
(追記:司会を務めて下さった編集室屋上の林さんが、この日のトーク内容をまとめてくださいました。→前編と後編あります。)


いま、これまでのことを振り返ろうと昔のノートやメモをみているところなのだけど、思わず笑ってしまったり、あー、このころ大変だったなあとしみじみしたり、なんだか引越の前の荷物整理のような状態になっている。

たとえば、4年前のノートにはこんなことが書いてあった。そのころ駒場東大のすぐ脇に住んでいて、そこに通う科学者の圭太君とひょんなことから仲良くなった。彼はいまアムステルダムで自分の研究に邁進している。

7月27日 
昨日圭太くんと遅くまで飲んだ。彼が言っていたこと。 
・Uri Alon という生物学者は、どうしたらみんながもっとリラックスして、喜びにあふれながら自分の研究をし、人々の役に立てられるかを考えている。彼はパイオニアで、人々が彼に続いて行く。とても視野が広い。
・Uri さんは即興劇の勉強もしていて、いつも「Yes and」のことを言う。目的へ行くのは雲の中に入ること。そしてこのぐちゃぐちゃの “cloud” を楽しむこと。行き詰まりを楽しむ。どこに行くのか、どんな方向に連れて行かれるのかを不安に思うのでなく、わくわくしてみること。今やっている「くだらないと思えること」も “cloud” の一つ。 
それから彼は、「ストイックになると駄目だよね」とも言っていた。

振り返るとぐちゃぐちゃの雲の中でしかなく、それらの一つひとつを楽しんできたかと言えば、よくわからない。もう少し軽やかに即興に身を任せられるようになりたい。




2017年2月15日水曜日

雛祭りに向けて


来月、北鎌倉にある喫茶ミンカで朗読をすることになりました。
ここのオーナーである美香さんにお会いした時、川上弘美さんの短編のコピーを渡され、「真歩さんのイメージにぴったりだと思うの。ここで朗読をしませんか?」とお誘いを受けました。それから四ヶ月が経って、演出を宇田さんが引き受けてくださり、美香さん、桜井さん、私の三人で朗読劇が実現することになりました。
ただ今、雛祭りの本番に向けて稽古中です。楽しんでもらえるようがんばりますので、どうぞ春もうすぐの北鎌倉に足をお運びください。



数はわずかですが、チラシも作りましたよ。どこかで見つけたときは、どうぞ手に取ってみてください。

2017.3.2(THU) 3(FRI)  3:30P.M./ 7:00P.M. 開演30分前に開場
会場 喫茶ミンカ(鎌倉市山ノ内 377-2 JR北鎌倉駅より徒歩 3 分)
料金 2,000円(ワンドリンク付)
※ 席に限りがございますので、お早めにご予約ください。 
ご予約・お問い合わせ
電話 0467-50-0221 
http://www.mawari.jp/calendar/ 

2017年2月7日火曜日

開会式を終えて

東葛スポーツ「東京オリンピック」が無事に終わった。観に来てくださった方ありがとうございました。
密室で繰り広げられた1時間のライブのようなコントのようなお芝居。稽古から本番を終えるまでとても濃い日々だった…。なんというか今更成人式を終えたような、強制的に割礼されたような感じがしている。
初日前に緊張と不安で胃が痛くなっていたら、音楽好きの友だちからこんな励ましメッセージをもらった。
「HIPHOP! 出アタマの音を信じて、ノルこと! リラックスしなけりゃと思わず、テキトーに! 酒飲んだつもりで、酔拳のようなフロー! 客を前にして自分が一番楽しんでいいのがHIPHOP! ルールがないのがヒップホップ。誰より楽しんでやれば、それが正解だよ」
深刻なことを時に笑いに変えること、頭じゃなくてリズムに身体をまかせることって大切だなあ、と。そしてラップ、またやりたい!と思った。感謝。
いつかまたラッパーの山田でお会いする日まで。

楽屋裏(倉庫)にて出番を待つ。

Frank Ocean、Chance The Rapper、libro、NATURAL 9 NATION、BRON-Kなどなど……。今回もまた沢山のラッパーを知り、好きになることができた。






2017年1月11日水曜日

宣伝


YO YO! ご無沙汰、調子はどうYO?  こんにちは山田真歩インザハウス。
2017年開けましたね。私は年末に岐阜のマンホールにPHSを落としまして、最近じゃすっかり公衆電話ユーザーになりつつあります。
それはさておき、全国のヒップホップファンの皆さん、東葛スポーツとラッパーの山田真歩が好きだという皆さん、お笑い芸人ならケイシー高峰だという皆さん、オリンピックの開会式なら何でも観るという皆さん、にお知らせです。


2月2日から5日まで、御茶ノ水にあるギャラリースペース3331にて東葛スポーツ本公演『東京オリンピック』が開催されます。どんな開会式になるかって?  Who knows・・・。
みなさま、お誘い合わせの上ご来場ください。

↓チェキラ



2016年12月12日月曜日

急がば回れ

最近、チャレンジしていること。 
左手で書き、食べること。 
山を歩くこと。 
3月のマラソン大会に向けて走ること(人生初!) 
詩吟と日本舞踊の発表会に向けて練習。 

この間、漫画家のつげ忠男さんに『なりゆきな魂、』の舞台挨拶でお会いした時、「最近、右手が言うことを聞かなくなってきて、線を引いて離すとき、ピッとヒゲを描いちゃうんです」と話されていたのが印象に残って、それがきっかけで左手を使うようになった。二週間が経ってお箸で食べるのはなかなか上手になってきたけど(納豆以外)、書く方は相変わらず難しい。ゆっくりしか書けないため、いろんな発見がある。

↑ 左手で書いたランニング表。

最近、読んでいる本。 
夏目漱石『門』、『荘子』、『長田弘全集』、『大野一雄 稽古の言葉』。 

この間、生まれてこの方、夏目漱石しか読んだことがない人と知りあった。宇田さんという文章の上手な年上の女性で、宇田さんは10代の頃から夏目漱石だけを繰り返し読んで来たという(ただし、2011年の大きな地震があった後は新聞もとって読むようになったとのこと)。「一番好きな作品は?」と私が聞くと、『草枕』と笑顔で即答した。
また、生まれてこの方、詩しか読んだことないという人にも会った。河合さんはロウソクを作る仕事をしている。彼からマヤコフスキーというロシアの詩人をお勧めされて読んでみたけれど、頭がちんぷんかんぷんになった。「これはね、意味じゃないんだよ。とにかく早口で読んでみて」と言われて、早口で読んでみたけれど、ちんぷんかんぷんのままだった。

もし、世界が言葉でできているとしたら、夏目漱石だけを読んできた人と、詩だけを読んできた人では、ずいぶん世の中の見え方が違うんだろうなと思った。


2016年11月8日火曜日

お知らせなど

感想を言葉で伝えるのがムズカシイことがあります。
言いたいことがあるんだけど、言葉にすると違うような気がして(まあたいていのことはそうなんだけど…)、黙ってしまったりモゴモゴお茶を濁したり。でもそうしているとどんどん伝えるのが下手になってくるので、これからは頑張りたいです。
この前に観た「ジョギング渡り鳥」(鈴木卓爾監督)もそうで、何て言ったらいいのか分からなかったので、四コマまんがにして卓爾さんに渡したらたいそう喜ばれた。そうか、これからはこういう方法もいいな、と思ったのでした。この作品は、11月23日に第8回TAMA映画賞にて再上映されるとのこと!




今月、伊参スタジオ映画祭に行きます。
ここは、なんというか素敵な場所なのです。山の中の小さな廃校になっている入口には「入場料は笑顔です。どなたでもどうぞ」と書いてあります。わたしはここで澤田サンダー監督の「ひかりのたび」という作品に参加しました。撮影の期間中に近くに住む方々が温かい手作りのご飯をつくってくれたり(どれも美味しかった!)、そうめん流しの台を竹でつくってくれたり。わたしも撮影の最終日に「手伝いたい」と言うと快く迎え入れてくれました。エプロンを借りて三角巾をつけ、ハンバーグ用の玉ネギを炒めたり、キュウリを切って浅漬けにしたり、トマトを湯剥きして砂糖につけたり。みんなでお喋りしたり笑いながら料理できて、楽しかったなあ。

この映画祭では、夜の校庭でプロジェクターに映画を写してみんなで観るそう。暖かい格好をしていらしてください、とのことでした。わたしは20日に行きます。来てね!(近くに四万温泉もありますよ〜♨️)

伊参スタジオにて(撮影・高川裕也さん)

2016年9月29日木曜日

ある朝のインタビュー




長野県の友人宅にて。
この間、朝ご飯を食べながらむにゃむにゃと話した音源が送られて来た。「15名の人に同じ質問をして語った音源を展示する」という企画らしい。質問してくれたおぐっさん(友人の旦那さん)の声は編集でカットされていたので、なんだか独り言のような不思議な感じになっている。
どんな質問だったかというと… 

1 生きていくうえでこれだけは必要というものが何かありますか?
2 哲学があったら教えてください。
3 天才と呼ばれている人のことをどうおもいますか?
4 父上、母上の思い出などあったらおきかせください。
5 よく「幸せになりたい」という言葉をききますが、どんな形にせよ幸せになることが人生の目標だと思いますか?
6 好きな食べ物はなんですか? 好きな料理は?
7 これから世の中はどうなっていくと思いますか?
8 人間の怖さってなんだとおもいますか?
9 生き物と物との境はなんですか?
10 夢はなんですか?
11 世の中に言いたいことはありますか?
12 好きなことわざ、四文字熟語などはありますか?
13 毎日かならずしていることはありますか?
14 表現で大切な事は何だと思いますか? 
15 旅はすきですか? 
16 自分の名前は好きですか?
17 やさしさってなんですか?
18 影響を受けた人はだれですか?
19 これからしてみたいことはなんですか?
20 美しさとはなんだと思いますか?
21 最強の格闘技はなんですか?
22 ピカソは素晴らしいと思いますか?
23 子供のことをどう思いますか?
24 頭が良い人というのはどんな人のことだと思いますか?
25 愛とはなんですか?
26 世界の人々が仲良くするためにどうすればいいとおもいますか?
27 過去を振り返ってみてどうですか? 


などなど、朝からたくさん質問を受けた。また何年か後に聞かれたら答える内容は変わってるのかもしれない。他の人の答えも聞いてみたいと思った。

それと今からでも間に合うなら、いちばん最初の質問に「音楽」と「笑い」を入れたい。



2016年9月9日金曜日

裁縫中(追記あり)

ウクレレに続き、息抜きシリーズ。

9月末にやる展示に向けて四コマコースターをちくちくと縫ってます。
これは2コマ目の「カピバラくん」です。↓ 




他にも、四コマで完結する絵を四枚のコースターに縫ったものが並びます。
お近くの方はぜひふらりと寄ってみてください。コースター山田というペンネーム(?)で置いています。

「古布ASOBI」展   9/29(木)〜10/10(月)
新しい人
15:00〜21:00   火曜定休
東京都杉並区高円寺南3-56-5 105

大量生産できないのが惜しい。
追記:始まりました。



2016年9月2日金曜日

ウクレレを練習した日

ひょんなことからウクレレを買った。3千円の安いやつだけどね、気に入っている。
とても軽いのでどこにでも持って行けるし、ちょいと休憩って感じで散歩しながらでも弾ける。上手になりたい。


2016年7月14日木曜日

もやもやくんへの手紙




もやもやくんへ

一年前、何してた?
一年前、私は毎日海の底を歩いてた。
歩いているうちに心がどんどん固く重くなっていくのが分かった。
見ると、びっしりと白いものがこびりついてた。フジツボだった。
どんなに固い岩でこそぎ落とそうとしてもだめだった。
私はあきらめてそのかさぶたみたいになった心を抱えながら歩き続けた。

何日かたって、私は泣くかわりに笑うことにした。
フジツボが出てきたら、すぐに立ち止まってなるべく大きな声で笑った。
初めは難しくても、空元気でも、演技することならできた。
ずっと演技しつづけたらそれは本当になった。
もうすぐ陸は近いって、頭の上でちらちらゆれる太陽が教えてくれた。

もやもやくん、あの固くて白いものは何だったんだろう。
あんなことって、本当にもう二度と経験したくないよ。
あれはもう終わったって、フジツボは戻って来ないって、毎朝思いながら目を覚ますよ。





海の絵を買った。去年知り合った片山高志くんが描いた作品。
音楽が送られて来た。越川さんから。
どちらも、とても気に入っている。


2016年6月25日土曜日

牧野富太郎記念館へ行った日

おととい、高校時代からの友人のさやと牧野富太郎記念館へ行ってきた。
道中いろんな話をした。彼女は大学でアール・ブリュットを学び、長野の美術館で働いたあと、茅野に自分のギャラリーをつくった。その名もアノニムギャラリー。「アノニム」には「無名の」とか「匿名の」という意味があるらしい。たしかに有名な作家の作品は置いていない。私だって展示したことがあるくらいだから、その無名っぷりは徹底している。

電車の中で彼女が熱く語った。
「そもそもアール・ブリュットの定義はね、秘密、孤独、沈黙なわけ。だから『アール・ブリュット展』とか『アウトサイダーアート展』とかって、作品を発表したり評価をうけてしまうと、もうすでにそれはアール・ブリュットではなくなっちゃうわけ」
「ふむふむ。でもさやは、そういうものをギャラリーで展示しているんでしょ?」
「そうだよ。こっそりね」
「矛盾しているんだね」
「そうなの」

大泉学園駅近くのうどん屋でお昼ご飯を食べ、いざ記念館へ。
平日だったせいか、人も少なく静かだった。庭にはいろんな草木が植えられていて、一つ一つに名前が書いてあった。「道端でよく見るけど、あなたそういう名前だったの」という感じ。牧野さんが日夜研究した書斎もそのまま残っていた。ボランティアのおじさんが「彼は草花を探しに野原へ行くとき、いつもとびっきりのお洒落をして行ったんです。まるで恋人にでも会いにいくみたいに」と教えてくれた。
千以上の名もなき草花を発見しては名前をつけていったという。「金木犀」もそうなんだね。もし私が野の花だったら、牧野さんのようなネーミングセンスのある人につけてもらいたいと思った。

展示の一部に、牧野さんが書いた勉強心得が飾ってあった。20代の頃に書いたその15か条の抱負は死ぬまで実践されたという。私は、気がついたら立ったまま全部書き写していた。手がしびれた。





その間、友人は中庭のベンチに座って草花を眺めていた。雨が上がって、庭は木漏れ日でキラキラしていた。私が隣りに腰かけると、「いま、わかったよ」と言ってメモしたことばを見せてくれた。
「アールブリュットはまだ誰も足を踏み入れたことのない森のなかで木漏れ日を受けてひっそりと咲く美しい花だ」

私は親指を立てて、かっこいいじゃん、と言った。





2016年4月30日土曜日

『ヒップホップ・ドリーム』を読んだ日




映画「サイタマノラッパー」でラッパーの役を演じることになり、人生で初めてラップを聴き始めた日々のことを思い出した。
あの頃、THA BLUE HERBを聴いていたのは覚えているけど、私にとってラップは未知の世界だった。右も左もわからずに「ラッパー/初期/日本人」と検索したら、吉幾三の「おら東京さ行ぐだ」という曲が出てきて、とりあえずそれをヘビーローテーションすることから始まった。
それから毎日いろんなラッパーの曲を聴いていたら、あるときMC漢の「導〜みちしるべ」というCDを手にした。それを聴いたときの衝撃は忘れない。「この人の言っていることは本当だ!」と思った。たくさん聴いて、背中を叩いてもらった。

そして今日、漢の自叙伝を読み始めた。とても面白い。正直で、チャーミングな文章。
また、ラップをやりたくなった。

2016年4月24日日曜日

夜中に目がさめた


1
パチパチ、焚火の音がした古いレコードが回る音だったかもしれない
そよ風のようなギターが古い記憶を運んで来た
泣けない人のために泣く
死ねない人のために死ぬ
笑えない人のために笑う
それがあんたの仕事なのと、言われたような気がする
焚火のような、くぐもったにぶい光のような声だった


2
起きたときに、大爆笑していることがある。


3
私のともだちがタンポポを持って訪ねて来た。
どっちかっていうと、ナイフとか爆弾とかが似合う人なのに、その小さな黄色い花がよく似合った。嬉しいような寂しいような顔をして笑っていた。
そこで目が覚めて、メガネをかけて庭に出た。細かい雨が降っていて草木はしっとり濡れていた。私の小さな庭にはタンポポがたくさん咲いている。摘もうと思ったら、夜だからか雨だからか、みんな花びらを閉じて眠っていた。まあそうだよな、もう夜ふけだもんね。




2016年4月17日日曜日

台風が来た日


最近は、若木や花がなにやら美味しそうな色をしている。外で本を読んだり仕事をしたりしたい季節。



落ち葉がきれいだったのであれもこれもとたくさん拾って帰ったら、次の日にはもうみんな茶色になっていた。



詩吟を習い始めた。とても楽しい。今朝は台風だったので、カラオケボックスで一人で練習をしてみた。へんてこな気分になった。一緒に歌える詩吟友だちが欲しい。



2016年3月1日火曜日

もうすぐ春だと思った日


一年前、ノートにデタラメに訳したある曲の歌詞を見ていたら、当時の日々のことが思い出された。
なぜか、もうすぐ春だと思った。



夕方、カルビン・ジョンソンの歌を何度も聴いて歌詞のイメージを書き出してみた。いまのところ、こんな感じの歌詞が出て来た。





When hearts Turn Blue
ブルーになるとき

目が覚めたら そこは いつものブルー
部屋の隅 窓を眺める カーテンがゆれる ひゅー

はたまたブルー
あちこちブルー
見慣れたブルー

僕は魚になって 海の中にダイビング
潜っていく どこまでも
君が沈んでいく そのまわり 

はたまたブルー
あちこちブルー
ゆらゆらブルー

夢を見るために今日も眠る
深くて 青い 夢を
もしもし 今夜は どんな夢を見ていますか
もしもし 聞こえてますか 聞こえてますか どうぞ

だんだんブルー
ゆっくりブルー
一面ブルー

ブルーのまま朝が来て 今日一日のことを思う
10年後のことを思う
何もかわらないかもしれない 何も ただ青いだけ
目を閉じれば そこは いつものブルー

だんだん濃くなっていく
このブルーはきれい
このブルーの中で 漂っているだけ

だんだんブルー
ゆっくりブルー
目を閉じて そこは ブルー



2016年2月4日木曜日

季節が分かれた日

昨日は節分だった。
ひょっこりひょうたん島の舞台は九州までぐるりと旅をして、また東京に戻ってきた。
昨日は「福はうち〜!」とい言いながらみんなで豆を投げた。





朝、布団の中で山尾三省さんという詩人の本を読んだ。とてもよかった。


「全身微笑」

全身微笑という 特別な人格を
ぼくが体現できたわけではないが

まずはその言葉が 突然にやってきて
それは
足の先から 頭のてっぺんまでの
何億兆ともいう細胞たちのひとつひとつが
それぞれに微笑み

その結果として
このしかつめらしいぼくという人格も おのずから
ひとつの全身微笑に 成就し
まるで小原理恵さんの描く お地蔵さんのように

ほっこりと微笑している

という 本格的な願い つまり

全身微笑地蔵菩薩への 心からの発心が
今ここに 樹ちました

ぼくの全身の細胞たちよ だから これからは
さあ 咲(わら)って咲って 咲って咲って

(『祈り』より/野草社)












2016年1月8日金曜日

なかなか寝つけない日

寝なきゃいけないのに眠れない。
本も読んだし、映画も観たし、朗読も落語も聞いた。それでもだめ、そんなときみんなどうしているんだろうか。井上ひさしさんは「辞書を読む」と何かの本で書いていた(さすが日本語の鬼!)。私はといえば、ベッドの中でiPodでニルヴァーナを聴いている。ますます寝れなくなった。

今年の正月、私の中で突然ニルヴァーナが炸裂した。なんてカッコイイ音楽なんだ…。
そのまま勢いで、近くにいた父の髪の毛をカートコバーン風に短くカットした。
今年はロックの一年になる予感。


今日、人形劇「ひょっこりひょうたん島」のDVDを見た。
冒頭、火事になったビルの屋上で島人たちが困っていると、ドンガバチョ(自称大統領)が大声でこんな風に言った。
「皆さ〜ん! 飛び降りるのは怖いとか死んだらどしよ〜というような心の雑念をお捨てください。心を空っぽにしましょ〜!カラッポにした分だけ身が軽くなりますぞ」
そう言い終わると彼はこうもり傘をガバッと開いてビルの屋上からためらいもなく飛び降りた。

凄いな、と思った。私はどこまで空っぽになれるかな。
舞台「漂流劇  ひょっこりひょうたん島」もいよいよ明日から松本入り。福岡、大阪と周って、2月に渋谷シアターコクーンで千秋楽。がんばるぞ〜!


2015年11月15日日曜日

ポスターを作った日


「アレノ」という映画が、11月21日からK's cinemaで公開されます。
この作品の中で、これまでの自分の人生のあらゆる瞬間を煮詰めて、一片の詩になればいい、と思ってやりました。個人的なことばかりですが、どこかの誰かの心に届いたら嬉しいと思っています。


アレノメモ①
「舞台となるのは、全てが不確実な世界。どこにも結びついていない世界。」


アレノメモ②
「こうしてわれわれはまたも孤独だ。もうじき私は年をとるだろう。そしてついにはこれも終わりになるだろう。」



そしてそして・・・一緒に、私のデビュー作「人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女」もレイトショーで数日間上映されることになりました。嬉しいです。


(↑ ポスター)


2015年9月17日木曜日

昔のことを思い出した日

雨の日がなんか好きになった。



この間みた「鉄割」は相変わらずぶっ飛んでいて、たくさん笑った。
テニスコーツの新曲がよくて、たくさん聴いている。




少し昔のことを思い出した。

山田家には5人がけのダイニングテーブルがあって、夕飯を食べ終わると父はいつもそこに座ってテストの丸つけをしていた(彼は小学校の教師だった)。父の椅子の後ろには戸棚があって、その中にはキャンディやら乾パンやらに混じって、若いころの彼が書いた詩画集がつまっていた。私が何かに悩んでいたりすると、「お父さんもね、そのことについて考えたことがあったよ」と棚の中をゴソゴソ探して作品の一部を引っぱり出して読ませてくれた。作品にはどれも「POOH」と手書きでサインがしてあった(プーさんが父の愛称だったようだ)。当時の自分がどんなことで悩んでいたかは忘れてしまったけど、ピンと来るものもあれば来ないものもあった。

この詩を書いたときの若き父の気分を、今はなんだかとても近くに感じる。


2015年6月25日木曜日

火のないところに煙が立った日

今日は、全くいわれのない噂を立てられて心底驚いたけど(びっくりし過ぎて笑った)、この曲を聴いて元気が出た。




さ、私は私で頑張ろー。

2015年6月20日土曜日

まとめてやって来た日


近藤ようこさんの漫画は大学生の時に知った。喫茶店でふと手にとって絵だけを見て気になっていたのだけど、まだまだこの世界は自分には早いような気がして、その時は読まずに閉じた。  

それからかれこれ10年が経って、私のところに一つの作品がやって来た。
ラジオドラマ「春来る鬼」。近藤ようこさん原作。 
これがきっかけで、最近彼女の本を遡って読んでいる。ただ、一作品ごとのパンチが重いから(立ち直るのに時間がかかる)、書店で恐る恐る一冊ずつ買っていたのだけれど、縁あってこんなふうに一気にまとめてやって来てしまった。


↑ 近藤ようこタワー。
鼻血が出そう…。


ラジオドラマ「春来る鬼」
【NHK FM】
2015年6月27日
午後9時~午後9時50分
お楽しみに!


2015年5月27日水曜日

ひたすら踊り続けたいと思った日

昨日、岩井秀人さんと快快の「再生」という作品を観に行って、舞台上で30分×3セットひたすら踊り続けるんだけど、最期の方はお腹がよじれるほど笑った。椅子なんかに座ってないで、一緒に舞台の上に行って踊りたくなった。あまりに激しい運動量で、代役の人がやっていた。次は私に代役を振ってくれないだろうか・・・。
見終わった後、小躍りで横浜の街を歩いて、渋谷の人ごみの中を走り、地元の酒場へ躍り込んだ! あー、楽しかった。 


劇中でかかっていた音楽の中でも、これすごく好きだった。


2015年5月26日火曜日

ある日の朗読

(2015年3月2日 録音)

2015年5月20日水曜日

久しぶりに音楽なしで歩いた日

最近いろいろやるせない事があって、毎日起きて寝る瞬間までiPodで音楽を聴き続けていた。さっき、夕方の町を公園へ向かって歩いている時、久しぶりにイヤフォンを外していることに気がついた。

公園には野球をしている男の子達と、小さい子供を連れたお母さん達が何組かいた。私はベンチに腰かけてセーラムの煙草を一本吸いながら、子供たちの遊ぶ様子を見た。いつか私に子供が生まれたら、ヒールのある靴もはかなくなるのかな、と思った。






2013年1月2日水曜日

もっと、カウベルを!

ハッピーニューイヤー! いかがお過ごしですか?
私は年末年始らしい映画を二本観に行きましたよ。一つは『007 スカイフォール』。あと30分で新年だったから席はガラガラだったけど、すごく楽しかった。ザッツ・エンターテイメント! もう一つは『レ・ミゼラブル』。こっちはなにしろ三時間くらいの超大作で、その間登場人物たちが入れ代わり立ち代わり歌い続けるもんだから、後半あたりで頭が少しボンヤリしてきた(元旦でよかったよ)。でも、みんな歌が上手だった。子どもの歌うシーンが特に心に響いた。
去年はどんな年だったかなって振り返ってみたけど、前半の方あんまり覚えてないんだよな・・・。とりあえず、二度、湖ができるくらい大泣きして、二度体調を大きく崩した。今年は、今年こそは、心身ともにタフになって、もっといろんなことを楽しめるようになるんだ。



そんなわけで、今年の私の合言葉は「モア・カウベル!」。ピンチのときとか気持ちに余裕がなくなってきたときに心の中で叫ぼうと思う。「もっとカウベルを!」って。そうすれば苦しいことも楽しく乗り越えられそうな気がする。
いかがわしいサングラス姿で登場するのは、私の大好きな俳優、クリストファー・ウォーケン。彼は長年タップダンスを習っているらしくて、そのときよく着るTシャツには、「シャラップ&ダンス!」って書いてあるんだって。そういうところが好きなんだよな。

* * *

長年続けてきたこのブログを、一度ここでお休みしようと思う。
今の自分が感じていることや見たものの印象を文字で表現するのは、難しかったけど楽しくもあった。そのうちまたここに何か書きたくなったら書こうと思う。

それではそれでは、今まで読んできてくださった方々、ありがとうございました。
全ての人にとって、今年一年がたくさんの笑顔の年になりますように。



(ひとまず、おしまい。)


2012年10月22日月曜日

秋の落書き日記

このブログ、もはや季刊だよ。
「締め切り」がないと、こんなふうに年に4回のペースになっちゃうんだね!
たまに、私のブログを楽しみにしてると言ってくれる人がいる(凄いたまにだけど)。私も、どうしたらたくさん書けるようになるか研究中。


「川島、道士やめるってよ」


テレビ東京のドラマ「好好!キョンシーガール」が始まった(というか、もうすぐ終わる)。私はアイドルグループ「9」のトチ狂ったマネージャー役で出ているよ。台本を読んだときに爆笑したけど、作品はどんな感じに仕上がっただろう? ちなみに、イラスト左の女の子は似てないけど川島海荷ちゃんだよ(本当に似てない)。


「メジャー・デビューの巻」

私の四コマ漫画がね、どんどん出世しているよ。もう本人を追い越さんばかりだよ。
いつもビックリするような所から「描いてください」って頼まれてきたけれど、今度はTBSのドラマ「レジデント」の公式ホームページに連載されることになったよ(大丈夫か!?)。もう訳が分からないけど、とりあえず毎日ネタを考えているよ。そろそろやめないと、このままじゃ本物の四コマ漫画家になってしまいそうだよ・・・。
これ(↓)は以前タワレコのフリーペーパーの編集の人に、「コンビニをテーマに四コマ下さい」と頼まれた作品。


もうこれ以上出世しなくていいから!(母)

2012年8月24日金曜日

夏のフォト日記


「ナポレオン」

私の小学生の頃の辞書を見ていたら、

不可能という文字がなかった。



「新しい映画」

あたらしい映画の撮影が始まった。
これから一年かけてちょっとずつ撮る。 キャストのほとんどは中学生。
手作りの耳(ガムテープ)をつける鈴木たくじ監督。どんな映画になるかとても楽しみ。



「動物園」

上野動物園に行ってきた。
お昼間で暑かったせいか、人も少なく静かだった。
二時間ほどかけて一周してわかったのは、動物たちに共通しているのは、動きにムダがなくて、使っていない筋肉は完全にリラックス(脱力)しているということ。(たまに、やる気がないだけか?とも思ったけど。)そして、みんなびっくりするくらい自我フリーだった。うらやましい。
人前で平気で自分のアソコを丸出しにして昼寝してる猿とか、おばちゃんに色んな角度から何度も写メとられても微動だにしない岩みたいな鳥とか、一体何考えてるんだろう? と思った。


で、このあいだ撮影の合間に、録音のタカアキ(山本)さんに「何考えてるんだと思います?」ってこの写真見せたら、「あっ、ハシビロコウだ! こいつすごいんだよ。いつもはジッとしてるんだけど、獲物が近づいた瞬間にバクって食いつくんだぜ」という。
なんてこった・・・演技だったのか! 私はその鳥のあまりにもナチュラルで嫌味のない演技力に驚いた。(まあ、この謎の鳥の名前が即座に口から出てきたタカアキさんにもビックリしたけど。)
あの後、おばちゃんが鳥に食われなかったかちょっと心配になった。

大きな綿のかたまりみたいに歩くゾウ。
 動物会議用のベンチ。

(おしまい)

2012年8月5日日曜日

新しい関係

ここ最近、私が手を焼かされてきた問題について書いてみようと思う。
まだ解決したわけでもないし、うまく整理できるかわからないけどさ、ひとまずの区切りとして「そういうことかよ!」とイメージできたところまで書いておきたい。

まずはこのブログのことから話そう。
このブログを始めた頃、ここは私にとって“秘密の庭”のような存在だった。私はそのひっそりとした庭のベンチに座っては、誰かに手紙を書いて悩みを打ち明けたり、今の自分をありのままに語ってきた。たまに読んでくれる友人達からは「使い方間違ってるよ」とか、「遺書みたい」とか言われたけれど、中にはそんな私の個人的な告白を面白がってくれる人もいた。
でも時が経ち、そんな“秘密の庭”も、だんだん覗きに来る人の数が増えて気づいたら“大衆浴場”のようになってきた。そして今ままでここで堂々と語っていたことがなんだか恥ずかしくなり、「こんなことを言ったらどう思われるかな」ということが私の頭を占めるようになってきた。自我、自意識、エゴ? 心理学のことはよくわからないけれど、これは今まで私があまり意識してこなかった新しい感覚だった。それでどうなったかというと、私は自分の本当の気持ちを隠すようになった。当たり障りないことばかり言ったり、引っ込んでもじもじしたり・・・。
でもね、これやってると、ぜんぜん楽しくない!私はこの先に行きたいと強く思った。多くの人が見てくれるようになった、そして恥ずかしいという感情が出てきた。じゃあどうしたらいいか? 
どれだけ「のぞき穴」が大きくなっても、そんなことおかまいなしで堂々と、正直に、自分自身でいられるようになればいい。これってカンタン?

* * *

先日読んだ本の中で、バーナード・ショーという人がこんなことを言っていた。
「劇場の視点まで拡大された自己暴露こそ、演劇芸術のすべてだ」
わーお!この言葉の中に、私が求めるほとんど全てが詰まっているよ。「自己暴露」は誰もがするでしょ。自分だけの日記の中で、親しい友人との夜の会話の中で。でもね、どうしたら見ず知らずの大勢の人が見ている中で、それと全く同じ事ができるんだろうね?(その方法については本には書かれていてなかった。)

ある程度の年齢になれば多かれ少なかれ誰もの中に出てくる「自我」というやつ。
私はこれまで二度、人から「自我を捨てろ」と言われたことがある。一度目は大学一年生の秋、初舞台の打ち上げで、演劇サークルの男友達から言われた。「真歩、自我を捨てろ」と(このときは「自分をすてろ」という意味だったかもしれない)。二度目は25歳の秋、農家ステイで偶然出会ったおじいさんから「自我を捨てなさい。あなたのためになるから」と言われた。
そんな訳で、よくわからないけど、とにかく自我というのは捨てなきゃいけないものなんだなと思ってきた。それ以来あれやこれや試行錯誤したつもりだけど、だんだん「こりゃー、捨てられるような代物ではないんじゃないか?」と思えてきた。影みたいなもんでさ。下手に無視すると、「酷いわ!私はここにいるのよ!」と叫びだしたりする。
他の人がどんなふうに自我と折り合いつけてるのか知らないけど、今現在の私はこんな感じで行けないだろうかと思っている。(イメージ図↓)心理学者が見たら笑うかもしれないけど。


押さえつけたり無視したりしないで、一緒に協力して乗り越えていく方向だ。
これで果たして上手くいくのかはわからないけど。でもまあ、とにかくやってみるつもりだ!

(つづく)

2012年5月28日月曜日

良い天気

最近、私が元気をもらっている音楽のことなど。

この間、AZEALIA BANKS というアーティストのPVを観た。何言ってるかよくわからないけど、やたらとかっこいい。カメラ、服装、ヘアスタイル、全てが最高に彼女に似合ってる。やっぱり黒人て何かを持ってるよな。なんだろうね、この揺るぎのないリズムは、マネできない独特の笑い方や歩き方は。あー、本当にかっこいい。ここ最近のヒット。毎日踊ってる。



これまた美しい。大きい画面で観ることをオススメします。
こんなふうに踊れるようになりたい。



* * *

心理テストをやったよ。
あなたがパートナーに求める「条件」を三つあげるとしたら? という問題。
私がパッと思いついたのは、
1.アーティストであること
2.性格が良いこと
3.ユーモアがあること
だったよ。そして最後に「あえてもう一つ加えるとしたら?」という問題。
そうだなあ、何だろう?「私を笑わせてくれる人」かなあ。なんて考えていたら、実はこの最後の答えが、一番自分が求めている理想の人なんだってさ。なーる。

* * * 

「リリオム」本番始まって、今日で5日目。昨日は知り合いが大勢観に来てくれて嬉しかった。感謝。今日も一日しっかり乗り越えられますように。

2012年5月14日月曜日

五月メモ

ここ5日間、鼻水が止まらない。こんなにティッシュペーパーを消費したのはいつぶりだろう。活きのいいウイルスのせいか、はたまた芝居の稽古の疲労とストレスで免疫力が落ちているせいか。こんなことではいけないね。タフになりたいよ。心から求む、「タフ」。どこかに売ってないだろうか? 新商品「タフ」。

「レンタネコ」の公開が始まった。猫をレンタルすることを通して、心の穴を埋めていく人たちの話。初夏にぴったりの爽やかな映画。ラムネを飲みながら鑑賞することをオススメします。ただ、私が今一番レンタルしたいものは猫ではない。それは「明るくて健康的な主婦」だ。彼女のおかげでシャツはいつもシワひとつなく、お弁当は健康を配慮されていて、布団に入ると暖かいお日さまの匂いがするんだ。そんな夢のような「レンタ主婦」。

猫といえば、山田家(私の生まれた家)では昔、猫を飼っていた。「モモちゃん」という名のそれはそれは勇敢なメス猫だった。彼女は周囲が驚くほど“タフ”だった。とにかく恐れというものを知らなかった。いつも野良猫とケンカしては美人を台無しにして帰ってきたし、飼い主の私の手を血がにじむまで噛み付いて離さなかった。いま思えば、それが彼女の愛情表現だったのかもしれない。そんなモモちゃんを、今、心から尊敬する。
モモちゃんの他にも、我が家にはさまざまな生き物がいた。ウサギ、カメ、メダカ、アゲハチョウの幼虫、ハムスター・・・。私が夏休みの宿題と格闘しているときに、ウサギは黙々とたんぽぽの葉っぱを食べ続けていたし、私がピアノの練習が嫌でしくしく泣いているときに、ハムスターは暖かなわらの中で冬眠 をしていたっけ。みんなマイペースだったなあ。
ウサギを抱く私と兄の図。 ↓

さて、今日も稽古だ。
登らなくてはいけない山は高く険しい。モモちゃん、力を貸してください。

おまけ。↓
雑誌「ピクトアップ」に載せていただいた四コマ漫画。(注:「猫殿」と似ていますが、違います。)


2012年4月26日木曜日

念願

《その一》
いよいよ五月末に本番を迎える舞台『リリオム』の稽古が始まった。
まだ一週間くらいしか経っていなくて、みんなでパズルのピースをひとつひとつ埋めていく作業が続いている。いやはや演劇って難しい! 台本に描かれていることは、氷山の一角なんだもんね。
周りはさまざまな経験を積んできたプロの方たちだし、初めての円形劇場(360度ビュー!)だし、不安な気持ちとワクワクする気持ちが交互に押し寄せてきて毎日がめまぐるしい。
でもね、今回の自分のテーマは「マックスで全開」なのさ。もう行けるところまで行く。出し惜しみしない。心を閉ざさない。たくさん恥をかく。これは、去年の『舞台版・ 中学生日記』の時に学んだ。あの時は、台本がなくてエチュード(即興劇)でつくっていく形式だった。18人のキャスト全員が中学生として、よーいド ンで蜂の巣をつついたように即興芝居をし出したのね。私は怖気づいてしまって、ほとんど発言をすることができなかった。様子を窺ってしまったのよ。そうした ら、そのまま本番3日前まで私の出番はなかった・・・。結果的になんとか上手くいったから良かったものの、これからは「心を開いたころには終わってた」というふうにはしたくない。
念願の舞台だもんね。みんなで協力し合って面白いものをつくりたい。

* * *

《そのニ》
この間、初めてPV作品に出演した。
歌っているのは初音ミクという超売れっ子の架空アイドル。作品のタイトルは「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」これまたすごい内容の歌詞なんだけど、実話がもとになっているんだって。面白いやら怖いやらだけど、なんとなくこの奥さんの気持ち、わからないでもない。
いやあ、大学生の時スパイクジョーンズの作品を観てからというもの、いつか出たいとは思っていたよ、ミュージックビデオ。撮影は朝から日が暮れるまで、大爆笑のうちに終わった。あんなにみんなが笑ってた現場ってなかなかない。とにかく記念すべき第一弾だぜ。へっへっへ。

いつかこういうのやりたいよね!(↓これ、途中で切れちゃうのが残念。最後が面白いのに! Fat Boy Slim の「Weapon of Choice」という作品。)