2023年3月11日土曜日

3月11日

今日は西脇順三郎さんの詩集をかばんの中に、寄り道しながら三田を散歩した。

夜、水道橋で懐かしい人にあった。小さな手のひらサイズのお墓をもらった。



帰りの電車で『旅人かへらず』をめくる。

あの日から、ずいぶん遠くに来たような、つい昨日のことのような。不思議な気持ちになった。

2023年3月10日金曜日

BUSY BODY

長屋の発想

最近、「長屋」というキーワードを、親しい人たちから聞く機会が増えた気がする。
長屋の距離感。同じ屋根の下に住んでいるのだけど、ちゃんと壁があって、でも声が聞こえてくるから完全に一人ではない。家族ほど密着していなく、一人暮らしよりも他者が近い感じ。
都会で一人で暮らしていて、隣に誰が住んでいるかわからないという状況に、ずっと心細さと疑問を感じてきたけど、ちょうどいい距離感や人とのつながりをみんな探っているのかなと思った。

地元のラジオ放送を通じて、グローバリゼーションの反対のローカリゼーションを広げていきたいという鎌倉に住むHさんも、「長屋」という発想を軸にしているという。「余計なお節介」をしていくことの大切さについて語ってくれた。「余計なお節介」のことを英語で「BUSY BODY」というらしい。
ビジーバディー、いい言葉だなと思った。

嬉しい偶然

私が好きな八百屋さんが、私の好きなお店の軒下を借りて、毎週月曜にお店を出すことになった。
草木堂というお店。私はここの野菜と果物のファンで、いつもまとめて買って野菜スープにして仕事場に持っていったりしている。
スーパーでは、野菜たちがシーンと沈黙していることが多いけれど、ここの野菜たちはみんな人格(?)があってわいわい語りかけてくるから、いつもあれもこれもと買いすぎてしまう。

その草木堂が月曜日に出店するお店は、コクテイル書房。映画のコラム「やっほー!シネマ」の第一回で書かせてもらったお店だ。

店主の狩野さんが、いま本の長屋(本を中心にいろんな人たちが自由に集える場所)プロジェクトを立ち上げているという。
古本を持ち寄ってみんなで本屋をつくるという。面白そうなので、私も箱店主に応募した。どんな本を置かせてもらおうか。いまからワクワクしている。

「本の長屋」プロジェクト


2023年1月26日木曜日

父母と『思春期』の話


お正月に実家に戻った時、父母といろんな話をした。
小学校の教師を退職して何年も経つ両親は、今は二人でささやかなサークル活動のようなものをやっている。たとえば、フルートの先生に歌を習うことや、人形を作って子どもたちに人形劇を上演すること。それから、「本の会」に参加していろんな児童書を探すこと。
この間は、父と母が「本の会」をきっかけに出会った本の話になった。面白かったので、二人に内緒でスマホで録音した。
装丁に使われたイラストが気になって、父が手に取った『思春期』(小手鞠るい著)という本の話。その絵が気に入り、自分で描き写したという。山田家の壁には写真や絵が細々とたくさん貼ってあるけれど、父の模写した『思春期』の表紙の絵も仲間入りしていた。

こういう話を、今のうちにいろいろ聞いておきたいなと思った。

↑『思春期』の表紙で使われていた長田結花さんのイラストを、父が模写したもの。

2023年1月5日木曜日

新年

毎年、お正月に日本舞踊のお稽古場の近くの神社で、奉納舞踊を踊らせていただいている。今年は、商売繁昌の門付の踊り「萬歳」と民謡「伊予節」を踊った。

あるお師匠さんから「いい踊りを踊るね」と声をかけてもらい、嬉しかった。いつだったか、私の踊りのA先生が、「庭の落ち葉をはくように、自然に踊るのがいい踊りなのよ」と言われたことを思い出す。いつかそんなふうに舞台にいたい。

今年も長島の漁師さんから立派な鰤が届く。ありがたい。映画『夕陽のあと』の撮影で出会って以来のご縁。長島の青い海を思い出しながら、お刺身や鰤シャブにして、美味しくいただく。

昨晩は、仕事仲間のOさん、Mさんと、ささやかな新年会をした。帰り際に、それぞれ今年の抱負を三つのキーワードにして出しあった。ほろ酔いの自分から出てきた言葉は、「新しいこと」「無我」「古典」だった。

今年は、初心に戻って、自分をゼロにして、予想もしなかった世界を楽しみたい。


2022年12月25日日曜日

印象スケッチ


心揺さぶられる展示を観た

沖潤子さんの刺繍


祈りのテンポで

激しさと 優しさが クロスする

傷口をゆっくり修復するような糸の道


ひと月にひとつの祈りの形を縫い上げる

縫うことが祈り 沈黙し 手を動かす

いつも○から始まる 

小さな○ 

好きなだけ広がってく○ 

魂が納得するまで 

いつのまにか傷は模様になっていた


こんなふうに縫われてみたいのだ

こんなふうに縫ってあげたいのだ


言葉のない世界で

どこまでも


(後半の刺繍群を見て)


ひとつの○に、ひとつの魂

あまたの○が、凝固して形をなしている

あまたの○が集まって「レモン」になっている

たくさんの○が溢れて「ザクロ」になっている


言葉や名前はあとから来た

今だって本当は、

ただたくさんの○が集まっているだけ


すでにあるものと「まざりあいたい」と作家は語る

まざりあうためには

分け隔てるものをとりはらうこと

名前や言葉でくくられた存在を、

その呪縛から自由にすること 

ほどくこと




2022年12月7日水曜日

今年もあと少し(追記あり)

来週はいよいよ舞台「沈丁花」の幕が開く。

今回は、生演奏もオリジナルの歌もすごく素敵だし、とにかくアンサンブルの方達のチームワークが素晴らしく、稽古を見ながら何度も目頭が熱くなる。

どうか、無事に幕が開きますように。そして、最後までみんなで走り切れますように。

今年、最初で最後の神頼み。

写真のお花をくれたのは、先日の朗読劇「シリーズ恋文」で岐阜の可児市に滞在中に出会った素敵なお店「こばやし」の娘さんから。お父さんと娘さん二人で切り盛りしていて、何を食べても感動的に美味しかった。行った日はちょうど彼女の誕生日だった。

「好きな色は?」と聞かれ、「ブルー」と答えると、翌日の本番を観に来てくれて、楽屋までお花を届けてくれた。たった二日間の公演だったけれど、いろんな出会いや体験があって忘れられない時間になった。


さあ、二〇二二年最後の大仕事に臨むぞ〜〜!

KAAT神奈川芸術劇場大スタジオで、お待ちしています。


追記

無事に千秋楽を迎えることができました。

毎日、奈落で震えながら、祈るように芝居をした。終わってみれば、懐かしい故郷に帰ってきたような、自分の芝居の原風景に立ち戻ったような感覚があった。

一生忘れられない体験になりそう。感謝です。みんなありがとう。


~舞台「沈丁花 」配信アーカイブ販売中~ 
GP動画 
https://youtu.be/_MNFSrTqJ7A 

■初日公演分 ~12月23日(金) 23:59まで 
■千穐楽公演分 ~12月27日(火) 23:59まで 

2022年11月11日金曜日

美しい街

引越しをした前の住所に、友人から詩集が贈られてきた。ポストに届いてしまったようなので、散歩がてら以前住んでいた街まで行ってみる。

「十一月の朗読劇、楽しみにしていたけど、岐阜まで行くのは難しそうなので、好きな詩人の詩集を送ります。」

とのことだった。

歩きながら後ろからめくって読み始めたけど、とてもいい。どのページも、いいなあ。ゆっくり読もう。

岐阜の可児市で、朗読劇「シリーズ恋文」に出演します。

さまざまな年代の方が実際に書いた恋文を、二人の俳優が語るという企画で、もう十二回も続いているそう。共演は、北村有起哉さん。構成・演出は藤井ごうさん。ピアノの生演奏は黒木由香さん。 

「シリーズ恋文」の三年目のパンフレットに載せられたという文章がとても素敵だった。 

“木綿のような素材で、ぬくもりのある言葉の数々だ。心を洗うような恋文を編み出します。この恋文ある心の模様は、いつでも、いつまでも、私たちが忘れないでいたい。生きるための艶のようなものです。” 

こんなワクワクする企画に参加できて嬉しい。お近くの方、よかったら見に来てください。 

日にち:11/26(土)と11/27(日)  会場:可児市文化創造センター・小劇場

それぞれの恋文をイメージして曲を集めてみたら、すごく優しい音の花束のようになった。 この曲たちのように、暖かい心を届けられたらいいな。

朗読「恋文」のプレイリスト💐




2022年11月10日木曜日

一輪挿しシリーズ in 長野🌹

長野へ引っ越した音楽家の斎藤友秋さん & てんこまつりさんに会いに。半年ぶりくらいに「一輪挿しシリーズ」の歌を“収穫”してきました。今回もたくさん笑いながら、8曲の小さな花の歌ができた。

※ お二人は長野で新しくお店を始める準備中とのこと。屋号は「と」。どんなお店が出来るか楽しみ。

どこもかしこも紅葉で美しかった。
野生の草花がそこらじゅうに。
斎藤さんの作るご飯はいつも美味しい。



これは今年の初夏、斉藤さんとてんこまつりさんの引越しを手伝ったときにメモした一行詩。新しいお家の庭の片隅に、野生の菖蒲がたくさん咲いていて、何本か摘んできて、まだダンボールでいっぱいの部屋にとりあえず飾った。
私は仕事でホテルに泊まったりするのだけど、花を一輪買って行って(それか道端で摘んで)活けておくことが多い。馴染みのない新しい空間でも、花がいてくれるとなんかホッとするから。


菖蒲つながりで・・・お知らせです。
年末、劇団「あやめ十八番」主催の堀越涼さんの舞台に出ます。堀越さん曰く、これまでの作品のタイトルはすべて菖蒲の名前からとっているとのこと。今回はプロデュース公演の番外編ということで「沈丁花」。
一輪挿しシリーズで「沈丁花」の歌を作ったことがあるけど、春先に蕾をつけるすごくいい香りの花だった。

もうすぐ稽古が始まる。未知の世界を、わくわくして楽しみたい。

12月16日〜12月20日 
@KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ 
https://www.cccreation.co.jp/stage/jinchou-ge/

2022年10月13日木曜日

再会。

J-WAVE、二度目の訪問。

今回は長谷川ミラさんの『START LINE』という番組に出演させてもらいました。

前回、川田十夢さんのラジオ番組『INNOVATION WORLD』の収録後に廊下を歩いて帰ろうとすると、後ろから「真歩さぁぁぁーーーん!」と大声でこちらに走ってくる金髪の美人が見えた。初め誰かわからなかったけれど、長谷川ミラさんだった。彼女とは8年前に下北沢で一緒の舞台に立ったご縁があり、そのころ彼女はまだ高校生だった。

J-WAVEの廊下での再会がきっかけで、彼女の番組に呼んでいただき、短い時間ではあったけれど深いテーマを二人でいろいろ語り合うことができた。ミラさんの私を見つめるまっすぐな瞳が印象に残った。 

10月14日、21日、28日(金)の18時50分頃~18時55分頃に登場予定です。よかったら聞いてください。 

◆番組名:START LINE

◆放送局名:J-WAVE 81.3FM 

◆放送時間:毎週金曜日16:30-20:00

◆ナビゲーター:長谷川ミラ





2022年9月6日火曜日

夏も終わり


映画のコラム「やっほー!シネマ」の22回目が更新されました。

今回は、『緑はよみがえる』という映画のことを、日々感じていたことなども織り交ぜて書いてみました。「戦争とは休む事なく世界を歩きまわる醜い獣である」——これは映画の最後に引用されていた印象深い言葉。その“醜い獣”の身体は目に見えにくいけれど、よく耳を澄ませると“音”によって様々な姿で現れていると思った。

“音”がとても繊細で美しい作品なので、ぜひ良いスピーカーかヘッドホンで観てもらいたいです。

そして、今回も朗読つき。音楽はてんこまつりさん。朗読にあとから音楽をつけるのは、詩集にイラストを添えるくらい難しい作業な気がするのだけど(やったことがないので分からないけど)、彼女は「声を聞いていたら自然に音が生まれてきました」と言ってくれた。

目で読んでも、耳で聞いても、それぞれに楽しんでもらえたら嬉しいです。どこかにいるあなたへ届きますように。

 ↓  ↓  ↓

PINTSCOPE「山田真歩のやっほー!シネマ」

(※ポッドキャスト版では、朗読の最後に担当編集者の川口ミリさんからの一言コメントも聞けます。)



2022年8月17日水曜日

終わりの始まり

先日、『時代革命』というドキュメンタリー映画を観に行った。

香港で起きた民主化デモの最前線。堅牢な黒い壁に次から次へと体当たりしていく、柔らかい無数の生卵のような香港の人たちの姿が映されていた。途中、泣きすぎて気分が悪くなって出ようかと思ったけれど、最後まで見届けようと思った。エンドロールが終わって席を立ち上がるときは、ふらふらした。すすり泣きがあちこちから聞こえていた。

「水になる」という柔軟に闘いつづける作戦のこと。「終わりの始まり。始まりの終わり。」という言葉が心に残った。その日はちょうど七十七年目の終戦記念日だったのだけど、何一つ終ってない気がした。

いま読んでいる香港の作家、ホン・ライチューの小説『秘密警察』に出てくる〈瀕死の猫〉のことを思った。やはり、あの〈猫〉は、もしかしたら自由意志の象徴かもしれない。知らぬうちに奪われていく自由を取り返すために、主張して闘って、ボロボロになった魂かもしれない。


友人から小さな睡蓮の種をもらった。とても堅くて割れそうにない種の中から、とても柔らかくてちいさな葉っぱが出てきた。不思議すぎる…。


2022年7月27日水曜日

夏です

新宿を歩いていると、広告やキャッチコピーの“言葉”がたくさん溢れている。大抵はすぐに消えていってしまうのだけど、その中で、ときどき滞空時間の長い“言葉”に出会うことがあった。そこを通り過ぎたあとも、しばらく心の中に残像のように残っている不思議な言葉。

尾形真理子さんという方の言葉だと後から知った。 

だから今年の春に、尾形真理子さんの小説『隣人の愛を知れ』のAudibleの朗読のオファーが来た時はとても嬉しかった。と同時に、小説を読んで「これは責任重大だ…」と緊張と興奮でふるえた。年齢も境遇もバラバラの、六人の女性の独り語りという形式をとって物語が織りなされていく。落語家なら朝飯前かもしれないけれど、身体の中がカオスになった。とにかく、来る日も来る日も小説を声に出して読むという日々を送っていた。

それぞれの女性のイメージを保てるように、自分なりに音楽のプレイリストを作ったり、小説に出てくる場所を一つ一つ実際に歩いてみたりした。これらの作業は息抜きにもなったし、楽しかった。

録音の最終日、三ヵ月間、朝から晩まで一緒に過ごした六人の登場人物と別れるのはさみしかった。彼女たち全員が愛おしい、と思った。 

『隣人の愛を知れ』登場人物のテーマソング(注:私個人のイメージです) 

ひかり CEO of Watching Television (Ellie Dixon)

莉里  Two Moons (Erika Dohi)

知歌  海がきこえる (永田茂) 

青子  Isn't It a Pity (Nina Simone) / Run From Me (Timber Timbre) 

ヨウ  Walk On The Wild Side (Suzanne Vega) 

美智子 Christmas Lullaby (Arvo Pärt)

この間、写真家の大森めぐみさんが写真を撮ってくれた。彼女がカメラを持ったとき、二子玉川の河原の空間が濃度を増した気がした。

初めて会ったのに、ずっと親しい誰かを見つめているような気がして、不思議な時間だった。


2022年6月28日火曜日

声のこと

コロナで人と会えなくなった頃から思っていたことがある。それは、「触れ合わずとも、触れ合えるものって何だろう?」ということだった。なぞなぞみたいだけど。

いつのまにか、遠く離れている人の声をよく聞くようになった。そのうちに、自分の声をボイスメモに吹き込んで、誰かに手紙のように送るようになった。

声は、触れ合わずに、心で触れ合うことの出来るもの一つだと思う、今日この頃です。

最近の声 ①

映画のコラムサイトPINTSCOPEの連載「やっほー!シネマ」が更新されました。今回は、古いアルバムをめくりながら、子ども時代のことを思い出して書いてみました。

しかも、なんと今回は“朗読”つき……。初の試みで、PINTSCOPE編集部の方たちとわいわい言いながら録音しました。ポッドキャストでも聴けるとのこと。ポッドキャスト版では、いつも私の担当編集をしてくれている川口ミリさんからの一言コメント(裏話)も聞けて面白いです。

文字で読むのと、声で聞くのは、どんなふうに印象が違うのだろう? 感想が楽しみです。

そして、私の声にそっと寄り添うように素敵な音楽を、てんこまつりさんが作曲してくれました。前回のコラムでも紹介させてもらったけれど、彼女の音楽はまるで昔からそこにあったかのように、いつも自然で違和感がない。とても嬉しい。感謝です。

どこかにいるあなたへ届きますように。

    ↓  ↓  ↓

「山田真歩のやっほー!シネマ」第21回目

近所の猫と私。

兄と猫と私。

最近の声 ②

先日、太宰治の桜桃忌に、友人に小さな朗読会に誘われて選んだ「引っ越しの花」というエッセイ。声に出してみると、文字の後ろにある書き手の想いのようなものが透けて、柔らかく伝わってくるのが不思議だった。

『透明空間が見える時』(津島佑子著/1977年)より。




本日の寝たねちゃん、ひと呟き。


「夏ですね。」
“It's summer.”

2022年4月2日土曜日

最近のこと

知人からおすすめされて『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』という作品を観た。私の仕事にも深く関わる内容だったので、他人事だと思えなかった。

マリオン・ドハティさんはキャスティングの先駆者といわれる女性で、アメリカ映画の従来のスターシステムを壊して、役者の外見よりも中身の魅力で勝負する“新しい主役像”を生み出すきっかけとなった人だった。

ドキュメンタリーの後半、質のいい作品を作ることよりも、どれだけ儲かるかが映画業界の主軸になっていき、その中で役者も演技の質よりその時どれだけ人気があるかが選ばれる基準となっていく。これはたぶん映画業界だけでなくて、あらゆる業界で起こりつづけて来たことなんだろうなと思った。

「どんなことも七代先のことまで考えて決める」というアメリカの先住民の教えがあるらしいけれど、大人でも子どもでもこんなふうに考える人間が地球上に増えていったら、確実に世界は変わると思う。すぐ利益を生まなかったとしても、長い目で見たら皆のためになり、利益にもつながるということがきっとある。

マリオンさんがキャスティングしたアメリカ映画の多くは、私が好きな作品ばかりだったし、今でも心に深く残っている。そしてこれからも残りつづけると思う。

去年から始まった「一輪挿しシリーズ」のレコーディング風景。いつもたくさん笑いながら短い花の歌を収穫している。今回も、へんてこりんでカワイイ曲がいっぱいできた。

撮影、てんこまつりさん。


妹の旦那さんオオクボリュウ君の個展を観に行った。ひとつのイメージがどんどん姿形を変えていく。絵は動かないのにショートムービーを観ているような錯覚になる。万物は流転する。不思議で、どこかふふふと笑えた。

PARCELギャラリーで5月1日まで。

撮影、オオクボリュウくん。

今日の寝たねちゃんのつぶやき☀️

「たまには光合成してみない?」
“Why don't you try photosynthesis once in a while?”

「セロトニンどーぞ!」
“I'll give you serotonin!”

2022年3月6日日曜日

お知らせ

去年、YouTube動画「起きてよ!寝たねちゃん」を一緒に作ってくれた方たちから、「LINEスタンプも作りましょう♪」とご提案をいただき、寝たねちゃんスタンプの言葉をみんでいろいろと考えていました。
ただ、私の出すアイデアはどれも「これは…、いつどんな状況で使うんですか?」と困らせてしまうものが多かったみたい。チョウチョがひらひら飛んで来るだけのスタンプとか、個人的には一番使いそうなのだけど…。とくに用はないんだけど、どうしてるかなあ?という時になにげなく送るのにちょうどいいと思います。
せっかく植物の種が主人公なので、人間界の素早いコール&レスポンスや今流行ってる言葉だけではなくて、もう少しのんびりとした柔らかいコミュニケーションができたらいいなあと夢想しながら作りました。

そんなわけで、寝たねちゃんLINEスタンプ、ひとまず完成です〜。🌱🌱🌱



今日の寝たねちゃんひとつぶやき。

「春ですね。」 
"It is spring." 

2022年1月19日水曜日

『SELF AND OTHERS』

映画のコラム「やっほー!シネマ」の20回目がアップされました。今回ほど、書くのを途中で投げ出したくなった回はなかったかもしれない(って毎回言ってるか…)。私にとってこの二年間は、やはり自分自身と向き合う時間が多かった。今回のコラムで取り上げた作品は、その流れの終点のような場所で出会ったような気がしている。とにかく、最後まで書けてよかった。

どこかにいるあなたへ届きますように。 

   ↓  ↓  ↓ 

「午後の光のようなもの」 

2018年自主公演『午後の光』の稽古場写真より。

この間、牛腸茂雄さんの写真集『SELF AND OTHERS』をめくっていたら、最後のページにこんな引用文が載っていた。

「ある人間にとって世界を生き生きとしたものにするために、あるいは人がそこに身を寄せている現実を一瞥で、一つの身振りで、一つの言葉で味気ないものにしてしまうために、もう一人の人間ほど効果的な作因は存在しないように思われる。」(E.ゴフマンの言葉)
わたしが存在するには、だれかの存在が必要だということ。集まること、共にそこに居合わせることの大切さ。そんな「あたりまえのこと」を痛感している今日この頃です。今年はもっと人と出会い、外に向いていく年にしたい。

2022年1月6日木曜日

二〇二二年です

初雪が降った。

夜、暖かく着込んで露天風呂のある銭湯まで歩いて行く。人も少ないし、雪を眺めるには絶好の場所だった。


去年始めたインスタグラムが、気づいたらお花畑みたいになっていた。ふとしたことから始まった「一輪挿しシリーズ」ももうすぐ季節が一巡りする。

ずいぶん歌に救われた一年だった。どんなに気分がふさぎ込んでいても、歌の練習のためにいつも口ずさんでいたから、端から見たらご機嫌な人にしか見えなかったかもしれない。一緒に作ってくれているミュージシャンの斉藤友秋さんには感謝しかない。

この間、私の一行詩がだんだん底をついてきいたので(斉藤さんの作曲の方は絶好調)、「ちょっとインターミッション入れましょうか…」と言いかけると、「いや、これからが面白くなるよ」と斉藤さんはさらりと言った。行き詰まったあとに出てくるものを信じている人なのだなあ。

🌱寝たねちゃん今日のつぶやき。今年は発芽するかしらん。


「冬ですね。」
"It's winter."


2021年12月13日月曜日

野生はダウンロードできない


朝、偶然つけたラジオから流れて来た話が面白かった。
「冒険というのはシステムの外に飛び出すこと」という探検家・角幡唯介さんの話。


二ヵ月ほど前に、ノートに勢いで書きつけた文章。
いつの間にかパソコンに日記を書くようになっていたけど、この日からまた手書きでノートに書くようになった。

10月22日 雨

野生をとり戻さなければ。いつの間にかパソコンやアプリや“検索”に巻き込まれて、その中でどんどん小さくなっていっていたかもしれない。
「Don't search!! Feel!!」が合い言葉だったじゃないか? 一日のうち、どれだけの言葉を“検索”しているだろう? どれだけの時間をスマホに使っているだろう? 今、あやうく「野生をとり戻す方法」と検索しそうになった自分に気づいて愕然とした。

まず手書きの日記に戻そう。カレンダーもメモ帳も手書きに戻してみよう。それだけでずいぶんスマホに手を伸ばす回数が減るだろう。スマホはシンプルに電話とメールだけの役割に戻すこと。気づくとアプリが増え、なんだか何でもできるすごい奴に思えて来るけど、それは決して私自身がレベルアップするわけじゃない。野生はダウンロードできないし、自信はアプリで売ってない。
放っておくとどんどん内面的になって、あの小さな画面に依存してしまう。あんなに嫌いだったLINEだって仕事で使っている。ガラケーをまっ二つにへし折っていた時代がなつかしい。あの頃は、まだ私の中の野生の方が主人公だった。
今、スマホを捨てることができないなら、自分で主従関係をハッキリ自覚するしかない。「お前は電話だよ。他のことはやんなくて大丈夫だからね」と、気づいたときに言い聞かせなければ。そして自分の身体を使うこと。

野生に主導権を! 
内面的すぎる自分よさらば!!
(これは私のせいじゃない)


🌱寝たねちゃん本日のつぶやき。

"I'm gonna sprout!"
"I'm gonna pop out my eyes...."

2021年11月10日水曜日

読書の秋です


最近、図書館で借りて読んだ二冊の本がとても面白くて静かな興奮がつづいている。
『われらの獲物は一滴の光』(高梨豊 著)
『出来事と写真』(畠山直哉・大竹昭子 著)
どちらも写真家が書いた本。
いいなと思った所をノートに書き写していったら、ほとんど書き写してしまった。ちょうどきれいな落ち葉が落ちていて「あれもこれも」と拾っていたらポケットからあふれてしまったみたいな感じ。
右手が疲れた…。 


🍂

雑誌「POPEYE」12月号の「本と映画のはなし。」でインタビューを受けました。
いろんな人が好きな本と映画を二作品ずつ選んで語るというシリーズらしく、私はここ最近出会った作品のことをお話してきました。ライターの井出幸亮さんが、まとまらない私の話をとても上手にまとめてくれていて感動しました。
見かけたら手に取ってみてください。


🍁

寝たねちゃん今日のつぶやき。


「秋ですね。」 
"It's autumn."


2021年9月17日金曜日

もう秋です

最近、外に出ると秋の匂いがして嬉しい。また好きな季節が来た。

近所の神社を散歩してたら、新しい行灯が増えていて笑った。

海老のように生きている人に会ってみたい。
余白に込めた想い。



PINTSCOPE の連載コラム「やっほー! シネマ」が更新されました。

どこかにいるあなたに届きますように。

 ↓  ↓  ↓

第19回目「袋の男とボナセーラ」