最近、本をめくっていたら、「アモール・ファティ(amor fati)」という言葉に出会った。そこには、こんなふうに書いてあった。
「ニーチェにアモール・ファテイ(運命愛)という重要な観念があります。自分の運命を愛したまえ、それが自分の人生なんだ、ということですね。ニーチェが言うには、もし君が、君の人生のうちのたったひとつの要素でも否定するなら、全部をバラバラにしてしまうことになる。(中略)君は悪魔を飲み込むことによって、その力を自分のものにする。人生の苦しみの大きさに応じて、人生そのものも大きくなる。」
なんだか勇気をもらった。
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映画のコラム「山田真歩のやっほー!シネマ」第23回目が公開された。
今回は、自分の人生のある時期に体験したことを見つめ、抱きしめるつもりで書いた。また、真剣に誰かとつながろうとすることを怖がっているうちに、軌道を離れすぎてしまった星のことを思いながら書いた。
今回も朗読つき。私の声に音楽を添えてくれたのは、てんこまつりさん。彼女は、「もっと混沌とした音になりそうだったけど、ひと回りして祈りの場の音になりました」とメッセージをくれた。
いつも描いている四コマ漫画はなぜか浮かばず、三枚の挿絵を添えることにした。 一枚目の海の絵は、友人でもある画家の片山高志くんの絵からインスピレーションをもらった。私が初めて買った絵で、今も部屋の窓際に飾ってる。
自分にとっては、本もそうだけど、映画も出会うタイミングがとても大切だと感じる。「今じゃないかも」と思ったら誰かにオススメされても無理に観ない。でも、気になっているものは心の片隅に残っていて、「今かも」と波長が合うときが不思議とくる。忘れがたい作品とは、そんなふうにして出会ってきた気がする。
いま、じゃなくてもいい。
いつか、どこかにいるあなたへ届きますように。
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(※ podcast版では私の編集担当の川口ミリさんからの”声のあとがき”も聞けます。)